電子印鑑って法的な効力ってあるの?セキュリティや作成方法まとめ!
PC上で印鑑を使用することが出来、PC上の書類データやメールなどに捺印できる電子印鑑は、これからのビジネスで活用される機会が増えるといわれています。
まだまだ存在自体が浸透しておらず、導入する方法も分からないという方も少なくありません。
電子印鑑は容易に作ることが出来るといいますが、どのように作られるのでしょうか。
電子印鑑は印刷前に捺印できるシステム
電子印鑑とは、文書を紙に印刷した後に捺印していたものを、まだ印刷する前の段階で捺印できるようにしたシステムです。
電子印鑑は、パソコンで作成中の文書のみならず、スキャナーで取り込んだ文書にも捺印できるため、文書を印刷した後で1個1個捺印していた作業が、電子文書の段階で1回捺印するだけで済み、作業の効率化が図れます。
電子印鑑の法的な効力とは?
印鑑といえば法的な効力が認められていますが、電子印鑑についても、通常の印鑑のように法的な効力が認められます。
そのため、全て電子印鑑に切り替えたとしても、今までと変わらず書類を作成することが出来ます。
ですが、実際には取引先の企業が電子印鑑を認めないなど、状況次第で印鑑として使用できない可能性もあり、高い効力を持つとは一概には言えないのが現状です。
電子印鑑はどの場面で使えるのか?
電子印鑑は通常の印鑑とは違い、データ上での契約のやり取りにも活用できます。
例えば、今までの取引では、PCで作成した書類をプリントアウトしてから、印鑑を押して郵送する必要がありました。
しかし、PC上で書類作成と電子印鑑による捺印を行えば、書類のやり取りがすべてPC上で行えます。
その代わり電子印鑑は簡単に複製が出来るので、重要な契約を行う際は、電子印鑑は使えないことが多いです。
電子印鑑はまだ生まれたばかりのシステムで、まだまだ成熟していない点がたくさんあります。
それでも有効活用できる面はたくさんあります。
これから先、電子印鑑がメジャーなものとなり今まで行っていた面倒な業務から開放されたり、よりお得に会社を運営できるようになるかもしれません。
年間3000億円の削減になるとのこと
現在はまだ、ビジネスシーンで利用され始めたという段階ですが、文書の電子化により、高い効力を持つとは一概には言えないのが現状という試算があります。
また、2005年4月1日施行の「e-文書法」では、それまで経済活動で使われる紙資源などが年間3000億円分も削減できるため、今後電子印鑑システムの利用が伸びていく可能性は十分あります。
フリーソフトもある
現在出回っている電子印鑑には様々なレベルのものがあり、中にはフリーソフトもあります。
しかし、フリーソフトの電子印鑑は、個人認証やタイムスタンプなどの面で不安があります。例えれば認印やシャチハタ印のようなものですから、フリーソフトの電子印鑑は社内文書や個人での利用に留めておいた方が賢明です。
今後への課題
今後電子印鑑の利用範囲が広がっていくためには、以下の点を改善させないといけません。
- 誰がいつ捺印したかわかるようにするタイムスタンプ機能
- 固有識別情報の埋め込み
- 捺印と同時に電子署名を行う機能
- 印鑑証明書と同じ効力をもつ公開鍵暗号基盤の適用
特に、公的な電子文書への捺印が認められるためには、真実性や客観性、可視性の要求には応えられないと難しいと言えます。
将来的な見通しは明るい
しかし、現在シャチハタ株式会社から発売中の「パソコン決裁」という電子印鑑システムでは、前述の問題がほぼクリアされています。
1つ1つをオーダーメイドで作成し、印鑑のデータにシリアル番号が付与されているため、同じ姓の物でも誰の電子印鑑か判断ができるというものです。
しかも、印鑑自体の複製ができないようになっているだけでなく、ExcelやWordといったオフィスでよく使われるソフトとも連動されているため、捺印後の改ざんもできないようになっています。
電子印鑑と手持ちの印鑑の印面が同じになるように作られているのも特徴で、捺印後の電子印影に、誰がいつ捺印したものかという情報が埋め込まれており、それを受け取った人が確認することもできます。
捺印と同時に付与できる電子署名も対応済みで、「インプレット」という個人認証システムの適用できるようになっています。
ですから、今後もっと利用範囲が広がっていくでしょう。
電子印鑑のメリットデメリットについて
昔から様々な場面で使われている印鑑ですが、最近はPC上で取引を行うことも増えてきており、そのための新しい印鑑が求められるようになっていました。
そうした声を受けて生まれたのが電子印鑑です。
PC上で印鑑のデータを管理することによって、様々なメリットを得ることができました。
その反面生まれたデメリットもありますが、電子印鑑のメリットデメリットとは何なのでしょうか。
電子印鑑のメリット
幅広い取引が可能に
電子印鑑の最大のメリットは、今まで出来なかった取引が行えるようになったことにあります。
今までは、法人の契約手続きには社用の印鑑を使用する必要があったので、PC上で作った書類は一度印刷して、捺印した上で郵送したり管理したりする必要がありました。
ですが、電子印鑑があれば書類作成から転送・管理まですべてPC上で行うことが出来るようになり、より簡単に取引を進め、少ないスペースでデータ管理が出来るようになります。
コスト削減に
電子印鑑があると、オフィスの様々なコストを削減することが出来ます。
まず印鑑自体を購入する必要がなくなりますし、それらを管理する手間やスペースも必要なくなります。
さらに印鑑を捺印して保管する必要がある書類も、すべてデータ上で捺印して保管することが出来、山のように必要だった書類がUSBメモリ一枚ですべて保管できるようになります。
それらの書類を印刷する費用もまとめてカットすることができます。
電子印鑑のデメリット
複製が簡単
業務上では様々なメリットがある電子印鑑ですが、その代わり複製が非常に簡単という大きなデメリットがあります。
電子印鑑はあくまでデータなので、非常に簡単にコピーすることが出来、その気になればすぐに悪用することが出来ます。
さらにセキュリティがしっかりしていないと、ネット経由で簡単に情報が漏洩してしまうので、そうした情報管理を徹底していない企業の場合、会社員にまつわる情報が世界中に発信されかねません。
電子印鑑は様々なメリットがありますが、同時に非常に大きなデメリットを抱えています。
まだまだ発展段階の技術でもあるので、これから先の発展次第では、より多くのメリットが増えるとともに、大きなデメリットも解消されるようになるかもしれません。
簡単にできる!電子印鑑の作成方法
では実際、電子印鑑は容易に作ることが出来るといいますが、どのように作られるのでしょうか。
ご紹介したいと思います!
スキャナーを使用して画像を取り込む場合
電子印鑑を自分で製作する場合は、実際の印鑑の画像を利用することが多いです。
すでに実物が存在する印鑑を使いたいという方が多いからでしょう。
手元のスキャナー機能がある複合機があれば、適当な紙に印鑑を押してスキャンすれば、印鑑を画像データとして保存することが出来ます。
まず画像を取り込むためのスキャナーを用意して、実際に使用している印鑑を押した紙をスキャンしてPCに画像データとして取りこみます。
その後印字の画像をトリミングして必要なところだけ抽出し、画像編集ソフトで白い部分を透過処理して、下の文章が表示されるようにするなどの加工を行います。
スキャンしたままの状態だと、印鑑を押した紙がそのまま画像として残ってしまい、書類に貼り付けたときに違和感が出てしまいます。
そのため前もって画像編集ソフトを使い、不要な余白を取り除いたり、余白部分を透明化することで、書類データに貼り付けても、印鑑の部分だけを違和感無く挿入することが出来るようになります。
そうすると、貼り付けるだけで印鑑として使える電子書籍が完成します。
フォントから作成する場合
画像を取り込むための機材が無いときは、すでにPC上にあるフォントから電子印鑑を作っていきます。
例えばExcelなどの表計算ソフトにはたくさんのフォントが用意されていますが、そこから行書体などの印鑑でも使われている文字を使い、印字を作ります。
フォントサイズや色は適宜調整して、使いやすいサイズが出来たら、図形データから丸を探して印鑑上になるように文字と図形を組み合わせれば、簡単に電子印鑑を作ることが出来ます。
画像編集ソフトを使用する
一から印鑑を作る 電子印鑑は色々な方法で作ることが出来ます。
スキャナーが無く、本物の印鑑の画像を使えないときは、画像編集ソフトで、印鑑らしい形の画像データを作る必要があります。
大抵の画像編集ソフトには、文章を打ち込む機能が搭載されているので、そちらを使って社名や苗字などを入力し、印鑑らしいフォントと並びで文字を打ちましょう。
その後にも丸や四角など、印鑑でよく見られる形で囲めば、電子印鑑らしい体裁はほぼ整うでしょう。
完成度を高めたいときは線の太さに気を使いましょう。
枠は必要以上に太くしないようにしたり、線を太くしすぎて文字がつぶれないようにしたりと、徐々に調整しながら、印鑑らしい形を目指しましょう。
作成し終わったら、背景の透明化など、他のファイルに貼り付けるための加工を行い、png形式あたりで保存すれば、電子印鑑の完成です。
より完成度を高めるために やり方さえ覚えてしまえば、比較的容易に作ることが出来る電子印鑑ですが、工夫次第でより完成度を高めることが出来ます。
例えば印鑑に使われるフォントは、PCでは使われていないフォントであることが多いので、企業が配布している電子印鑑用フォントを購入することで、より印鑑らしく、なおかつ他の人が複製出来ない印鑑を作成できます。
完成度の高い電子印鑑を作成したい場合は
更に完成度を高めたいときは、電子印鑑専用の画像編集ソフトを使うのも一つの手です。最近はフリーで配布されている電子印鑑用の画像編集ソフトが人気を呼んでいます。
本格的な画像編集ソフトは高いので、コスト削減もかねて、フリーソフトを最大限活用してください。
電子印鑑は一からでも作成することが出来、自由にオリジナル印鑑を用意できます。
データを保存する際は
電子印鑑が出来たら、その後も使い続けることが出来るように保存しなければなりませんが、画像編集ソフトや表計算ソフトで製作した遺伝子印鑑は、簡単に手を加えることが出来ます。
方法としては、編集した電子印鑑の画像データを、PDF形式で保存するのが一番簡単です。
専用のソフトウェアが必要になりますが、ビジネス用パソコンとして販売されたり、リースされている商品には、予め必要なソフトがインストールされているものも多いので、作成する前に必要なソフトが導入されているか調べておきましょう。
作成した電子印鑑を使う際は、貼り付けるファイルに適した加工が必要になることもあります。
WordやExcelで作成した書類に貼り付ける際は、背景の透明化などを済ませた状態で、png形式で貼り付けるのが一般的です。
pdf形式の書類は、直接加工することが出来ないので、専用のソフトウェアを使って貼り付けを行います。
ソフトはフリーで配布されているものがあるので、そちらを使うと便利です。
電子印鑑があると、紙の書類を減らすことが出来たり、業務をよりスムーズに進めることが出来ます。
最初は画像加工などの処理が必要な分、面倒に感じるかもしれませんが、使用できる環境を構築してしまいさえすれば、その後の仕事はずっと楽なものになるでしょう。
やり方もそれほど複雑な方法はとっていないので、仕事の合間に少しずつ作っていっても、数日には仕上げることが出来るでしょう。
セキュリティ・安全面は問題ないの?
最近はPC上で書類のやり取りを行うことが増えてきたため、電子印鑑の需要も高まっています。
電子印鑑があると、いちいち書類を印刷する手間も省けますが、印鑑をデータ化することに問題は無いのでしょうか。
特に問題なのが、複製が非常に簡単という点で、フリーのフォントを使って作成したものなら、殆ど同じものをすぐに作ることが出来ます。
仮に独自のフォントを使っていても、画像データを読み込んでしまえば、それをそのまま使うだけで電子印鑑を複製できます。
そのため電子印鑑を使う際は、社内のやり取りのみに抑えるなど、重要度の低い書類にのみ使うと良いでしょう。
契約書などは実際に印刷し、実物の印鑑を使う、今までどおりのスタイルが、安全性やセキュリティの面で最も優れています。
簡単に作れて便利な電子印鑑ですが、その分安全性については課題も残されています。
とはいえ本物の印鑑との使い分けは有効なので、上手に使い分けながら、日々の業務を減らしていきましょう。
初めての方が調べる疑問質問【まとめ】
電子印鑑を作成してくれるサイトが営業しているので、そちらに作成を依頼しましょう。
無料で作成できるサイトもありますが、フォントをオリジナルものにするなど、有料サービスのほうが完成度が高い電子印鑑を作成できるので、どちらを利用するか慎重に決めましょう。
電子印鑑はデータ上の存在ということもあって、比較的容易に複製できるので、実物の印鑑と比べると、法的な効力は薄いといえます。
なので、社内でのやり取りで使う印鑑など、重要度が低い印鑑として使うと良いでしょう。
電子印鑑を作成する際は、背景の透明化や明るさの調整などの作業が出来る画像編集ソフトがあると理想的です。
本格的な画像編集ソフトでなくても、フリーで配布されているものが多く公開されているので、ソフトがない場合はそちらを利用するのをオススメします。
今までPC上で作成した書類に印鑑を押す際は、紙に出力する必要がありましたが、電子印鑑を使えば、PC上で全ての作業を行えるようになります。
その分余計な紙を使う必要がなくなり、印鑑の準備の手間も無くなったりと、コスト削減や時間の節約に繋げることが出来ます。
徐々に普及しつつある電子印鑑ですが、まだまだ知名度は低く、導入できる環境が整っていない企業も少なくありません。
それでも多くの魅力があるのは間違いないので、この機会に電子印鑑の導入を検討してみてはいかがでしょうか。